受講生の解答例などを中心に各年度の解説をしてみました。
あくまでも一例ですが、過去問研究の参考になれば幸いです。
総合政策学部2010年小論文 解答例と解説
この問題は原因の構造化の練習として非常に有効だと思います。
離職にはたくさんの原因があると思いますが、今回の解説では以下の点に注目して進めてみたいと思います。
1、図1とアンケート結果の矛盾(給料の問題か?どうなのか?)をどう説明するか。
2、介護現場特有の離職率の原因にたどりつけるか。
1お金が原因かどうかに関しては離職の際のアンケートではお金の問題があがっていますが、図1に関しては都道府県別の給与と離職率に関しては相関がないことがわかります。(相関の知識がなくても、表の中のひとつひとつの「・」に対して縦軸の離職率と横軸の月給の数字を確認してみれば解読可能です。表の解読に慣れていきましょう。)
※相関係数は0に近ければ近いほど関係がない、1もしくはー1に近いほど相関関係があるという数字です。ちなみに総合2017の糖尿病と平均年収の関係の表の相関係数が0.49という数字です。おそらく1よりも0に近いギリギリの数字を提供することで、この表からだけでは相関と言い切れないという絶妙な数字ということになると思います。)
2
さて、介護現場特有というのはどういうことでしょうか。例えば管理職の能力や労働環境などは他の仕事場の離職率にもつながりそうです。また精神論は部活をはじめ、どんな仕事の現場でもありそうです。とにかくがんばろう!というやつ。
そこで資料にあるように精神論と並んで、「介護は心」がじわじわと来るとあります。
この「介護は心」という言葉がどうじわじわ来るのか、を想像する必要がありそうです。この部分が総合2010年の核になりそうです。
怒られる、疲れる
↓
介護は心と言われる(資料での仕事のコミュニケーション例)
↓
初心を思い出す(「介護は心」同意する)←もともとやりがいを求めていた
↓
現場に戻るとできない(ギャップ)
↓
いろんな価値観(まあほどほどでいいんじゃない(理想を諦めた人しか残れない現場?)
超人の存在。
↓
理想と現実のギャップにくるしみながら、自己嫌悪にも陥る可能性がある。
問1の介護は心をメインとした受講生解答例
介護労働者の離職率が高い最大の要因は、精神的負担が大きいという点にあると考える。
資料3から、介護職はパート職員が多く技術力のある正職員が少ないことがわかる。また「捨て育ち」という言葉にあるように教育の機会が少なく技術力が不足する。技術力が高くなければ、利用者などから感謝される機会は少なくなる。しかし資料3からわかる通り、管理職は「介護で最も重要なのは心だ」と言って職員を鼓舞する。すると職員は利用者から感謝されないという現実と、「介護は心」という言葉とのギャップに苦しめられる。さらに表2からわかる通り、介護職には「やりがい」を求めている人が一番多いため、利用者やその家族から感謝されないとなると、やりがいを感じられなくなるのではないだろうか。現実と理想とのギャップから精神的な負担が大きくなる。

※実際は資料にある様々な要因をこの介護現場特有と思われる「介護は心」を軸に(元に)つくると完成すると思います。
他の過去問も同じですが、先に問2,問3など後の設問まで設計して問1を完成させるといいと思います。問2は現場での施策の有効性に関して、問3は賃金アップは有効か?などの問いになっています。問3は図1の行動と離職原因のアンケートの矛盾を考慮します。実際の行動を優先して考えると賃金をあげてもあまり変わらないことになる可能性が高そうです。今回は問2に関して一番とがった解答例を載せてみたいと思います。(この問2をしっかり考えることが問1の完成につながると思います)
問2生徒解答例
わざととがった解答例を授業で説明したものを論理再生の訓練として書いてもらいました。

コミュニケーションというのは一般的にいいこととされています。そして私も重要だと思います。
ただ、今回この現場での仕事上のコミュニケーションの内容を資料から抜き出すと、、、「精神論」と「介護は心」のみです。
もしそんなコミュニケーションを続けていると仮定したら、、、
一般論や常識を完全に否定する感じがとがっていていいなと思っています(笑)。
他にも様々な解答例があると思いますので探求してみてください。
